二世帯住宅の完全分離型が30坪で本当に建つのか?間取りで徹底解説!

二世帯住宅の完全分離型が30坪で本当に建つのか?間取りで徹底解説!

 

二世帯住宅の完全分離型が30坪で本当に建つのか?間取りで徹底解説!

2021/11/09  更新:

 

 

 

 

村上悠です。
自宅、賃貸物件の平屋ガレージハウスを建てるなど、家づくり経験があります。
さらに、経営する複数の賃貸物件のリフォームも何度も行ったことがあります。
その経験をベースに、二世帯住宅に関する記事を書こうと思います。

 

今回は、二世帯住宅の完全分離型が30坪で建てることができるのかを、間取りを紹介しながら解説します。
二世帯住宅をお考えであれば、ぜひ、最後までお読みいただければと思います。


 

 

二世帯住宅は、通常の一世帯住宅に比べ、延べ床面積がより広くなります。

 

子世帯、親世帯が一緒に暮らす家なので、より広くなるのは、当然です。

 

ましてや、全ての生活空間が、世帯毎に完全に分かれている完全分離型となると、共有部が全くないのでより広くなります。

 

あなたは、二世帯住宅、それも人気の完全分離型を建てるのに、どれくらいの面積が必要かわかりますか?

 

結論から申し上げます。

 

ズバリ!延床面積が30坪あれば、何とか、完全分離型の二世帯住宅を建てることが可能です。

 

本記事では、具体的な間取りを紹介しながら、解説したいと思います。

 

二世帯住宅をお考えの方であれば、おおいに参考になる内容です。

 

ぜひ、最後までお読み頂き、素晴らしい二世帯住宅を建ててください。

 

それでは、はじめます。

 

 

 

 

 

 

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完全分離型の二世帯住宅に必要な延床面積は?

 

 

 

まず、完全分離型の二世帯住宅に必要な延床面積について解説したいと思います。


 

 

同じ二世帯住宅といっても、どの程度、生活空間を共用するかによって、間取りは大きく異なります。

 

大きくは、次の3つのパターンに、二世帯住宅を分けることができます。

 

 

寝室等のプライベート空間を除き、生活空間を完全に共有する完全同居型、生活空間の一部を共有する部分共有型。

 

そして、本記事のテーマでもある全ての生活空間が世帯毎に分離している完全分離型です。

 

1棟の建物でありながら、住まいとしては二世帯が完全に独立しているパターンです。

 

3つ目の完全分離型は、生活空間を2世帯で共有する他の2タイプに比べると、より広い延床面積が必要になります。

 

先程、30坪あれば、何とか、完全分離型の二世帯住宅を建てることは可能とお話しました。

 

しかし、二世帯住宅としてはかなり狭い、30坪の完全分離型は、簡単ではありません。

 

まず、この30坪と限られた空間の中に、キッチン、リビング、トイレ、洗面、風呂・・といった生活空間を世帯毎に全て設ける必要があります。

 

キッチン、リビング、トイレ、風呂、洗面、寝室・・各生活空間の広さをどうするか、どこに配置するか、間取りに工夫を要します。

 

また、親世帯、子世帯の各世帯のプライバシーを確保することも重要です。

 

親世帯、子世帯間のある程度の距離がある暮らしを実現しつつ、各世帯のプライバシーも確保するのは、間取りの工夫が必要です。

 

さらに、プライバシーの確保以外にも注意すべきポイントがあります。

 

次の記事で解説しましたが、二世帯住宅には多くのデメリットがあります。

 

二世帯住宅はデメリットだらけ?本当のところを徹底解説!

 

より快適な二世帯住宅を建てるには、できる限りデメリットを軽減し、一方で二世帯住宅のメリットを活かせる間取りにする必要があります。

 

ここまでの話で、30坪の完全分離型の二世帯住宅が、簡単には建てられないことを、ご理解頂けたと思います。

 

 

今後、あなたが家づくりを進めていくに際し、ご注意頂きたいのは、施工業者の選定です。

 

二世帯住宅の施工実績が豊富で、ノウハウのある業者でないと、まず対応できないと思います。

 

くれぐれも、あなたの二世帯住宅の家づくりを成功させるためにも、慎重に施工業者の選定を行ってください。

 

 

 

 

 

30坪クラスの二世帯住宅の3パターンの間取りとは?

 

 

 

30坪クラスの二世帯住宅の3パターンの間取りについて解説します。

 

ぜひ、あなたの家づくりに参考になさってみてください。


 

 

確かに、30坪クラスの完全分離型の二世帯住宅は可能で、この後に、実際の間取りもご紹介します。

 

ただ、30坪の広さは、あくまでも二世帯住宅を完全分離で建てる場合の、最低限必要な広さであって、余裕はほとんどありません。

 

例えば、親世帯(2人)+子世帯(夫婦と子供2人)の合計6人で住むとなると、正直かなり厳しい広さです。

 

そこで、できる限り完全分離型に近い、余裕のある間取りを2パターンご紹介します。

 

それは、(1)玄関のみを共有する間取り、そして(2)玄関と水回りのみを共有する間取りです。

 

まず(1)玄関のみを共有する間取りですが、玄関を親子世帯で共有するので、その分の床面積を、他のエリアにまわせます。

 

例えば、家族がくつろぐLDKを広くしたり、子供部屋等のプライベート空間をより広くできたりします。

 

そして(2)の玄関と水回りを共有する間取りは、さらに水回り(風呂・洗面・トイレ等)も共有するので、(1)の間取りよりも、さらに広い床面積を、LDKや子供部屋に充てることが可能です。

 

二世帯住宅の完全分離の間取りを検討される際には、以下の3パターンの間取りを比較検討されるといいです。

 

 

  • 完全分離型の間取り
  • 玄関のみ共有する間取り
  • 玄関と水回りのみ共有する間取り

 

親子世帯でお互いのプライバシーが守られ、気を遣うケースが少ない、トラブルもより少ない「完全分離型」の間取りを選ぶのか。

 

それとも、LDKやプライベート空間が狭く窮屈になるのが嫌なので、多少、プライバシー面では我慢し、親子世帯の共有エリアのある間取りを選ぶのか。

 

どの二世帯住宅の間取りが自分に合っているのか、よく検討することが重要です。

 

30坪クラスの完全分離型の二世帯住宅の間取りを紹介!

 

 

 

 

 

それでは、本題です。

 

30坪クラスの完全分離型の二世帯住宅の間取りをご紹介します。

 

どの間取りも、快適に暮らせそうな、とても参考になる間取りです。

 

ぜひ、あなたの家づくりに参考になさってみてください。


 

 

コンパクトにまとめられた階建ての完全分離型の二世帯住宅の間取り

 

出典:ミサワホーム

 

延床面積 1F:42.23m² / 2F:42.23m² / To:84.46m² (26坪)
敷地面積 -

 

 

1つ目の間取りは、延床面積が26坪しかない完全分離型の二世帯住宅です。

 

この狭い面積で、1階に2DK、2階に1LDKの間取りで、玄関も各世帯毎に、1階と2階に玄関があります。

 

さすがに、26坪とかなり狭いため、キッチン、ダイニング、リビングの面積は広くはありませんが、充分快適に住める間取りです。

 

1階に親世帯の両親が住み、2階に子世帯の若夫婦が住むのに最適な間取りです。

 

1階の親世帯には、個室が2部屋あるので、プライベートな時間も楽しめそうです。

 

2階は、個室は1室ですが、10.5畳ものLDKがありますので、家でも快適に暮らせます。

 

二世帯住宅のデメリットに、プライバシー面でのストレスがあります。

 

生活音が漏れると、それにより、何をやっているか相手に察知されプライバシーが守られないという問題があります。

 

この間取りは、生活音がよく発生する風呂、洗面(洗濯機あり)、トイレですが、1階と2階と同じ北西の角にまとめているので、音漏れは防げる間取りです。

 

1階の両親の寝室の上には、風呂、洗面、トイレは設置されていないので、睡眠が妨害されるリスクもありません。

 

また、玄関の位置も、1階と2階にあるため、外出、帰宅の際に、必要以上に出会うことも少ないはずです。

 

プライバシー確保という点では、よく考えらえた間取りです。

 

ここで、この間取りで、気になる点をいくつかお話しておきます。

 

1つ目は、親世帯と子世帯の間に一切、通路がない点です。

 

例えば、各世帯間の移動する場合、いったん外に出て、あらためて玄関から入る必要があります。

 

将来、親の介護が必要になり、頻繁に1階と2階を行き来するようになった場合、若干、手間ではあります。

 

ただ、完全に世帯が分かれているので、よりプライバシーが守られているというメリットはありますが。

 

もう1点は、1階の両親の個室の上が、子世帯がくつろぐLDKになっている点です。

 

子世帯がLDKでくつろぐ際に発生する生活音が、1階の寝室に漏れないよう、床や天井に防音対策は必要になります。

 

ご紹介したミサワホームの間取りですが、親世帯、子世帯で程よい距離感を保ちつつ、プライバシーが守られた快適な二世帯住宅です。

 

ぜひ、参考になさってください。

 

 

 

 

3階建ての完全分離の二世帯住宅(夫婦+子ども1人+母)の間取り

 

出典元 BLISS

 

延床面積 97.92m2(29.6坪)
敷地面積 50.35m2(15.2坪)

 

 

2つ目の間取りは、延床面積が30坪の3階建ての完全分離型二世帯住宅です。

 

1階にLDK、2階にLDK、そして3階に個室が3部屋ある間取りで、1階に各世帯毎に玄関があります。

 

1階に親世帯のお母様が住み、2階と3階に子世帯の夫婦と子供1人が住む二世帯住宅です。

 

1階に個室はなくLDKの広い1つの空間ですが、高齢者が1人で住むには、とてもいい間取りです。

 

とても広く、収納も充分にあり、老後をゆったり暮らすには最高です。

 

また、部屋数が少ないので、掃除も楽ですし、トイレ、風呂、洗面にも近く、とても快適に住める間取りです。

 

高齢者の事をよく考えた間取りで、参考になります。

 

そして2階には、子世帯のLDK、トイレ、風呂、洗面等の水回りがあります。

 

キッチンで家事をするにも、同じ階にある洗面の洗濯機置き場に簡単に移動できるので、家事動線もいいです。

 

3階は、子世帯の両親、子供1人の各寝室、かなり広く、収納も充分にあるプライベート空間になります。

 

2階、3階は、子世帯が快適に暮らせる間取りになっています。

 

こちらの間取りも、2階の水回りの位置が、1階の玄関、水回りの位置にあるので、生活音の問題は生じません。

 

1階で寝ているお母さまが、2階の水回りから発生する生活音で、起きてしまうことは、まずあり得ません。

 

プライバシーの面でもよく考えられた間取りになっています。

 

もう1点、こちらの間取りで参考にして頂きたいのは、各世帯の玄関と内部を行き来できるドアです。

 

各世帯にそれぞれ玄関があるので、プライバシーは確保されています。

 

一方で、世帯間を移動するのに、いったん外に出る必要がなく、内部のドアがることで、将来、親の介護が必要になり、1階と2階を行き来する機会が増えた際には、とても便利です。

 

また、親世帯、子世帯の程よい距離感を保つにも、玄関にドアを設けるのはおすすめです。

 

ただし、ドアを利用する際の、最低限のルールを事前に決めておくといいです。

 

何のルールもなく、頻繁にドアを利用してしまうと、プライバシー面でのストレスになるので、事前にルールを決めておく必要があります。

 

 

 

 

2階建ての完全分離の二世帯住宅(夫婦+父)の間取り

 

出典:ワカバヤシ(パナソニックビルダーズグループ)

 

延床面積 99.98m2(30.2坪)
敷地面積 169.47m2(51.2坪)

 

 

3つ目の間取りは、延床面積が30坪の2階建ての完全分離型二世帯住宅です。

 

1階にLDKと個室があり、2階にLDKと個室2部屋あり、さらに、かなり広いロフトがある間取りです。

 

1階に親世帯のお父様が住み、2階とロフトが子世帯で、夫婦と子供1人が住む二世帯住宅です。

 

各世帯の玄関は、1階にあり、玄関には、内部で行き来できるドアも備わっています。

 

1階は、広いLDKがあり、寝室もあり、そしてトイレ、洗面、風呂も近くにあり、コンパクトですが、高齢者が1人で住むには、とても住みやすい間取りです。

 

2階には、子世帯のLDKがありますが、1階に比べると少し狭いです。

 

しかし、キッチンには吹き抜けがあり、ロフトのバルコニーから注がれる陽の光もあって、とても開放的で快適な空間です。

 

また、LDKに接する大きなバルコニーを、アウトドアリビングとして居室に取り込むことで、とても広い空間になっています。

 

そして、両親の寝室、子供部屋も、充分広く、収納も充分で、快適ば空間です。

 

さらに、広いロフトも、子世帯にはあって、ここを、収納スペース、書斎、趣味の部屋・・様々な用途で使えます。

 

ロフトがあるおかげで、子世帯の快適性が、さらに増しているとい思います。

 

こちらの間取りは、親世帯、子世帯のトイレ、洗面、風呂等の水回り、パブリックスペースのLDKが同じ位置にあります。

 

ともに、生活音が発生するエリアですが、同じ場所にある間取りなので、生活音で睡眠が妨げられるといった問題は発生しない間取りです。

 

プライバシー確保ができている間取りです。

 

各世帯に玄関があり、各世帯間を移動できるドアもあり、程よい距離感を保ちつつ、プライバシーも確保するのにいいです。

 

将来、親の介護が必要になった際にも、世帯間を簡単に移動できるのは便利です。

 

こちらの間取りも、あなたの家づくりに、おおいに参考にして頂きたい間取りです。

 

 

 

 

2階建ての完全分離の二世帯住宅(母+夫婦+子ども1人+犬)の間取り

 

出典:兼六土地建物

 

延床面積 115.45m2(34.9坪)
敷地面積 144.89m2(43.8坪)

 

 

4つ目の間取りは、延床面積が30坪クラスの2階建ての完全分離型二世帯住宅です。

 

1階に親世帯エリアのLDKと個室、子世帯の個室1部屋があり、2階に子世帯のLDKと個室1部屋がある間取りです。

 

さらに、この家にはルーフバルコニーもあり、空を感じながらくつろげる、癒し空間になっています。

 

各世帯の玄関は、親世帯が南側に、子世帯が西側に位置し、居室内に世帯間を移動できるドアも設置されています。

 

親世帯は、LDK、寝室、トイレ、洗面、風呂等の水回りがコンパクトにまとめっており、とても暮らしやすい間取りです。

 

部屋数も少なく、コンパクトにまとめっているので、掃除もしやすく、お母さまと犬1匹で、快適に暮らせます。

 

子世帯エリアは、両親と子供1人で住んでいますが、2階に広いLDKがあり、収納も充分な個室が1階と2階にあり、家族3人で快適に暮らせます。

 

2階のLDKには、広いバルコニーにも面しており、明るく快適な空間になっています。

 

こちらの間取りでは、2階の水回りは、全て子世帯側のエリアの上にあります。

 

寝室で寝ているお母さまが、二階の水回りの生活音で起こされるなんて事は生じない間取りです。

 

プライバシー確保ができている間取りです。

 

子世帯の玄関ホール、親世帯のLDKに設けらえた、世帯間を移動できるドアは、事前ルールは必要ですが、程よい距離感を保つにはとてもいいです。

 

高齢者の母親が1人で住むので、介護も含め、何かあった際に、世帯間を簡単に移動できるのは便利です。

 

こちらの間取りも、ぜひ、参考にして頂きたい間取りです。

 

まとめ

 

 

 

 

 

以上、完全分離型の二世帯住宅が30坪で建つかを解説しました。

 

参考になりましたでしょうか?
それでは、最後にまとめです。


 

 

 

本記事では、30坪と狭い広さでも、完全分離型の二世帯住宅を建てることが可能であることを解説しました。

 

具体的な間取りもご紹介しましたので、よくおわかり頂けたと思います。

 

どの間取りも、二世帯住宅ならではのデメリットを軽減しつつ、二世帯住宅のメリットを活かすための工夫が施されています。

 

デメリットを軽減するためのポイントについては、次の記事で解説してますので、ぜひ、こちらもお読み頂ければと思います。

 

 

二世帯住宅を建てるとなると、かなりの広さが必要であり、狭い土地に建てるのは無理と考える方は多いです。

 

しかし、最初から諦めることはやめてください。

 

本記事でご紹介した間取りのように、狭い土地でも二世帯住宅を建てることは可能です。

 

まずは、二世帯住宅の施工実績が豊富で、ノウハウのある業者に相談されるといいです。

 

以上で、二世帯住宅に関する解説は終わりです。

 

ぜひ、本記事を参考にして、素敵な二世帯住宅を建ててください。

 

 

 

 

 

 

家づくりを成功させるために、できる限り多くの間取りプランを比較検討してみてください。

 

特に、二世帯住宅は、アイディア次第、間取りを工夫することで、何倍も快適な家になります。

 

複数の間取りプランを比較し、よりあなたの暮らしに合った二世帯住宅に、そして、より完成度の高い間取りに、ブラシュアップしてください。

 

私の場合もそうですが、最低でも3社から、間取りプランをとるといいです。

 

その際には、相見積もりもとることも重要です。

 

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著者情報:
村上悠
レリッシュプラン株式会社:代表

自宅を三井ホームで建て、さらに賃貸物件の平屋ガレージハウスを建てる等、新築の家づくり経験があります。
さらに、複数の賃貸物件についても、空室対策として何度もリフォームを行ったことがあります。
そういった家づくり、リフォーム経験で得た気付き、知識等を、記事にしていきたいと思います。

家づくり、リフォーム等に役立つであろうと、資格も取得しました。
賃貸業など不動産ビジネスに役立つであろうと、宅地建物取引士に2008年に合格。
また、家づくり、リフォームに色彩は重要ということで、2級カラーコーディネーター(商工会議所)の資格を2019年に取得。
さらに、以前サラリーマン時代に、国内旅行業務取扱管理者の資格も2016年に取得。

 

著者のプロフィール情報

 

 

記事更新:
■よりわかりやすくするために、「30坪クラスの二世帯住宅の3パターンの間取りとは?」の記事を加えました。(2023/1/30)